「彼氏イナイ歴=年齢」な絶食系女子が「結婚しよう」と心を変えたワケ

「彼氏イナイ歴=年齢」な絶食系女子が「結婚しよう」と心を変えたワケ

恋愛離れが進む若者たち。「彼氏・彼女イナイ歴=年齢」の男女も、そう珍しい存在ではなくなってきました。

今回、結婚体験談をご紹介する森さん(仮)は、会社員の父と専業主婦の母、少し歳の離れた姉と一緒に暮らす21歳の女性。一生独身を覚悟していたいわゆる“絶食系”女子だった森さんの考えが、ある日を境に大きく変わりします。一体、どんなきっかけがあったのでしょうか。

母が交通事故。「このままでは自分もダメに……」と不安に

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森さんの長所は人に優しいところで、短所は何に対しても臆病なところ。そんな性格の森さんは高校卒業後に、地元にあるネジ工場の事務員に就職しました。

就職して3年が経ち、業務に慣れ始めたある日、会社で働いていると電話が鳴ったのです。

「こちら救急隊員ですが、事務員の森さんはいらっしゃいますか?」

「はい、私が森ですが」

「実はお母様が交通事故に遭われて……。命に別状はありませんが、脚の骨を骨折しているのでお迎えに来てください」

森さんは偶然その電話を取り、救急隊員の口ぶりから「脚の骨折なら大丈夫だろう」と判断。仕事が終わってから、母を病院まで迎えに行くことにしました。

「もし、母が死んでしまったらどうしよう……。私が心を許せるのは母だけ。でも、母は自分より先に死んでしまう。このままでは、母が死んでしまった後、自分もダメになってしまうかも……」。病院へ向かう道中、ふとそんな思いが頭をよぎりました。

急に不安な思いに襲われて、涙が止まらなくなっていました。自分の将来のため、今何をすべきか。そう考えたとき、真っ先に「相手を探して、結婚しよう」と思ったのです。

12歳も年上で無口な男性。何度も話すうちにどんどん惹かれた

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結婚どころか、それまで彼氏がいたこともなかった森さん。「まずは彼氏をつくらないと!」と考えたものの、婚活するにしても婚活パーティーに行くべきか、結婚相談所に登録すべきか迷ってしまい、なかなか行動に移せませんでした。

そうこうしているうちに母親が交通事故に遭ってから1カ月ほど経ち、会社に新入社員の男性が入ってきました。

その男性は森さんよりも12歳年上で、坊主頭。無口で話し掛けづらい雰囲気でした。

同じ会社で働いていなかったら、きっと森さんの方から話し掛けることはなかったでしょう。けれど、仕事の都合で否応なく男性に要件を伝えなくてはならなくなり、思い切って話し掛けてみることに。すると見た目とは裏腹に、物腰が柔らかく話しやすい人だったのです。

それから仕事関係で何度か話すようになり、いつしかプライベートのことも話題にするように。森さんは彼にどんどん惹かれていったのです。

彼を気になり始めた森さんでしたが、よくよく考えてみると顔は好みのタイプではなく、12歳も年上。いろいろ気になるところはありましたが、「私がこんなにも心を許して話せる相手は、もう現れないかもしれない」と考え、森さんは生まれて初めて告白する決心をしました。

1度は断られた告白、食い下がって彼からOK!

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「好きです。私とお付き合いしてください」

「ごめん……。12歳も年下の女性と付き合うのは難しいと思う。それに社内恋愛はしたくない」

「……どうしても、あなたとお付き合いしたいんです。こんなに心を許せるのは、あなたしかいません」

「そこまで言ってくれるなら分かった。でも社内の人には、秘密にしてほしい」

告白をして1度は断られた森さんでしたが、それでも食い下がり、ようやく彼からOKをもらうことができました。実は彼、社内恋愛で嫌な思いをした経験があり、会社の人には秘密にすることを条件にしたのでした。

「別れ話だろう」から一転のプロポーズ

それから10カ月が経ったころ、森さんと彼が付き合っていることを知らず、言い寄ってくる女性社員がいました。それを知った森さんは、嫉妬心から彼と大ゲンカをしてしまったのです。

それからほとんど連絡を取り合わず2週間が経ったころ、彼から「話し合いたい」と連絡がありました。久しぶりのデートでしたが「きっと、別れ話をされるんだろうな」と不安を抱えながら、彼の待つ喫茶店へ向かいました。

喫茶店に到着すると重たい空気が続き、2人はお互いの不満を言い合いました。「やっぱり彼とはダメなんだ……」。そう思った森さんが涙を堪えていると彼がこう言ったのです。

「これから2人が幸せになる方法を考えよう」

「え!? 私たち別れるんじゃないの」

「違うよ」

仲直りした2人は食事をして、車で家に送ってもらっていると、彼がいつもと違う道を進み始めました。

「あれ? どうしたの?」と森さんが聞いても、「いや、ちょっとね」となんだか怪しい態度の彼。しばらく走り、周囲に人気がないところに到着すると、彼から「降りて」と促されたのです。

「やっぱり私、捨てられるんだ」と森さんが不安に思っていると――彼は突然「僕と結婚してください」とまさかのプロポーズをしてくれたのです。

森さんは涙を流しながら「はい!」と答え、半年後にめでたく入籍したのです。

「一生独身と思い込んでいたので、まさか自分が結婚できるなんて夢にも思っていませんでした。でも、何かきっかけがあれば自分を変えることができる。私は母の交通事故をきっかけに、自分の考えを改めることができて、本当に良かったと思っています」と語ってくれた森さん。結婚して3年経った今では、2人のお子様にも恵まれて幸せな家庭を築いています。

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