長くお付き合いをしていたり、どちらか一方が結婚適齢期を迎えたりすると、カップルの間に自然と出てくる結婚の話。なかなか結婚を決めてくれない彼に対して、彼女から「結婚してくれないのなら別れる」と告げるのは有効なのでしょうか。
実際にこの”奥の手”を試してみた成瀬さん(仮)に、その時のエピソードをうかがいました。
学生時代からスタートした恋
成瀬さんは大学院修了後に就職し、社会人4年目。いつも笑顔で明るいタイプの成瀬さんの好きな言葉は「適当」で、嫌いな言葉は「苦労」と「努力」すること。小さいころから優柔不断な性格だからか、タイプの男性は「自分とは反対にはっきり物事を言える人」でした。大学までの彼氏は、年上男性ばかりだったそうです。
成瀬さんの彼も、大学院を修了して社会人4年目。姉がいるせいか女性に優しく、デリケートなところに気を使える男性でした。だけど頑固であまのじゃくな性格。普段は優しいのに、「常識」や「普通」と言う言葉に反発心を持つ、どこか変わったところのある男性でした。
2人が出会ったのは、大学院時代のアルバイト先。知り合ってから友人関係が数年続き、自然とお互いを意識するようになって交際スタート。そして大学院を修了し、それぞれ内定をもらっていた企業に就職することになったのです。
彼との将来を見据えて告げた女性の”奥の手”
2人が就職して最初の夏、彼が地方へ転勤することになりました。遠距離恋愛が始まってから、あっと言う間に4年が経ち、その間に結婚をしたくなった成瀬さんは彼にこんな話を切り出したのです。
「私たち今年で付き合って6年だね。仕事も落ち着いてきたし、そろそろ結婚とか……」
「いや、まだ結婚は考えられない」
その後も同じように彼に結婚の話を持ち掛けてみても、答えは決まって「NO」。こんな会話が何度か続き、2人は結婚適齢期に入りました。
――このまま、彼と私は結婚できるのかな。
そんな思いがふと頭をよぎり、成瀬さんは彼にこう告げたのでした。
「結婚する気がないのなら、好きだけどもう別れる。1カ月以内に返事をして」
そして成瀬さんからは、彼からの連絡を待つことにしました。
“奥の手”に必要なのは「覚悟」と「関係性」
彼にそう伝えてから何の音沙汰もなく1カ月が経ちました。
――やっぱりダメかな。結婚に向けて、新しい出会いを探すべきなのかな。
そう成瀬さんが諦めかけたころ、彼から連絡がありました。
「いろいろ考えたんだけど、君と別れるなんて考えられない。待たせてごめんね。結婚しよう」
晴れて結婚が決まった2人は半年後に入籍。1年後には無事に挙式を終えました。
”奥の手”を出す選択をしたことについて成瀬さんに聞いてみると、「振り返ってみると、当時の私は彼にすごいことを言ったな、と思います。でも、彼と結婚したい気持ちがとても強かったので、素直に気持ちをぶつけられたんだと思います」と笑顔で答えてくれました。
女性の”奥の手”とも言われる「結婚する気がないのなら、好きだけどもう別れる」という言葉。この言葉を切り出すには、女性も大事なものを失う覚悟をすることはもちろんですが、成瀬さんと旦那さんのように、よい関係を築けていることも大切なことなのでしょう。