外国でも通じる日本語の「カイゼン（kaizen）」。製造業の生産現場で働く人たちが作業を見直すことで作業効率や安全性を改善することを指す言葉ですが、婚活も「カイゼン」しようと考える企業が現れたようです。

トヨタ式“カイゼン”で成婚率もアップ？

政財界の有力者たちの間でも、未婚率の上昇や少子化といった問題を解決したいと考える方が増えてきたようです。

日刊工業新聞が運営する「ニュースイッチ」の記事では、豊田自動織機の豊田鐵郎会長が中部経済連合会の会長に就任し、初めて迎えた定例会見で「若い人に早く結婚してもらうことが最優先」と発言したことを伝えています。

豊田会長はただ発言しただけでなく、自らが経営する豊田自動織機の独身社員と地元病院の看護師との合コンを「過去3回やっている」とコメント。実際に、若手社員の婚活サポートにも動き出していると語りました。

けれど、合コンをセッティングしてみたものの、自社の男性社員たちが「“草食系”や“断食系”が増えて元気がない」とのことで、うまくマッチングできなかったのだとか。そこで女性とのコミュニケーションに慣れている男性社員が、独身の男性社員を対象にナンパのやり方を伝授。現場レベルで“カイゼン”したエピソードを披露しました。

社員の結婚は、企業にとってメリットに

経済産業研究所が掲載しているコラムによると、40～64歳では既婚者の88％が自分は健康だと答えたのに対して、未婚者で健康だと考えていたのは78％でした。

同コラムではそこからさまざまな要因について分析していった結果、「結婚には健康状態を向上させる効果があると解釈できる」と結論づけています。

企業にとっては、社員が健康でいてくれれば生産性が上がることになります。また「嫁ブロック」（妻が夫の転職に反対して転職させないこと）という言葉も広まってきたように、配偶者がいるとそう簡単には転職しないようになります。

このように、企業にとっては結婚する社員を増やした方が、いろいろとメリットがあるようです。豊田自動織機以外にも、古河電気工業の労組本社支部が若手組合員向けの婚活セミナーを開くなど、婚活支援に力を入れる企業が増えてきています。

「私、結婚したいのだけれども、このまま激務の職場で結婚できるのかな？」と悩み始めたあなたは、こうした婚活支援に取り組む企業への転職を視野に入れてみてはいかがでしょうか。環境が変われば婚活への理解も得やすくなり、婚活の成功率も変わってくるかもしれませんよ。