「貧乏暇なし」は「貧乏だから暇がないほど働く」ではない!?
筆者はライターという仕事柄、著名人や社長などのいわゆる“成功者”“お金持ち”と出会う機会に恵まれてきました。これまで数多くの“成功者”“お金持ち”に取材してきた中でも、今もはっきり記憶に残っている言葉があります。
それは『社長失格』の著者で、ハイパーネット創業者として知られる板倉雄一郎氏から聞いた「『貧乏暇なし』というけれど、『貧乏だから暇がないほど働く』のではない。『暇がないから貧乏』になるのだ」というもの。目の前の仕事に忙殺されていては、いつまで経っても貧乏なまま。暇な時間をつくり、その時間を使って「自分がどうなりたいのか」「そのためにはどうする必要があるのか」と考えることこそ、成功するために必要なことだというのです。
そのように、“成功者”“お金持ち”と一般人の思考には、異なる点が多々あると言われています。どのような違いがあるのか、いくつか例を挙げて紹介していきましょう。
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一般人は“節約”しようとするが、お金持ちは“投資”しようとする
「落としたクリップを拾うコスト」という話を聞いたことがあるでしょうか。
高収入のビジネスパーソンが仕事中にクリップを床に落としてしまった場合、「わずかな金額のクリップを拾うことに時間を費やすよりも、クリップは床に落ちたままにしておいて、その時間を別の仕事に充てた方がいい」という考え方です。
「クリップを拾う」という“節約”に時間を充てるよりも、「別の仕事をする」という“投資”に時間を回した方がトータルで考えた場合に収入は多くなります。
身近な例に置き換えて考えてみましょう。1円でも安く食材を買えるスーパーを探そうと必死になってチラシを見比べてから遠くのスーパーにまで足を伸ばすより、在宅ワークでお金を稼いで食材は宅配してもらった方が、トータルの収入は多くなる可能性がないでしょうか。
目先の小さなことを“節約”しようとするのではなく、視野を広げて収入を増やすために自分が“投資”すべきことを考える。そのように考えを切り替えることが、お金持ちへの第一歩になるのかもしれません。
一般人はお金があれば欲しいものを買うが、お金持ちは増やそうとする
投資家のウォーレン・バフェット氏は、世界でも指折りの大富豪。けれど、その住まいは質素で、1958年に3万1500ドルで購入した物件に住み続けているそうです。
その例にならって、私たちがちょっと背伸びをしてマイホームを購入したときのことを考えてみましょう。今は住宅ローンが低金利ですからそれほどでもないかもしれませんが、中には年老いるまで住宅ローンの返済に追われることになるかもしれません。
逆にバフェット氏を見習い、一番欲しいマイホームを我慢して少しお安い物件を購入し、余裕を残したらどうなるでしょう。仕事に必要な知識・スキルを学ぶ有料セミナーに参加しやすくなり「仕事ができる」と評価が上がって出世が早まるかもしれませんし、転職のチャンスが訪れたときに「でも、マイホームのローン返済があるから冒険ができない……」とためらって好機を逸することを避けられます。子供にしっかりとした教育環境を整えてあげることであなたの家族の将来は明るくなるかもしれません。
目先の物欲に負けずに、手元にあるお金を何に“投資”すればより豊かになれるかと考えること。バフェット氏のように“投資”=資産運用でなくても構わないと思いますが、明るい将来へつながる“投資”は何かとあなたなりに考えてみてください。