生命保険に入りたい。目安として、家族にいくら残せばいい?
自分が死んでしまったとき、加入していれば残された誰かにまとまったお金を残せる生命保険。その特性から考えるに、独身のうちから「生命保険に入ろう」と考えて、自ら進んで加入しておいた人はそれほど多くないはずです。
ところが、結婚して伴侶を持ち、子供を育てることが現実味を帯びてきたら、急に「生命保険に入ろうかな」と意識し始める人も多いのでは。交通事故に遭ったら……、心臓発作や若年性のガンなどで急死してしまったら……。そうした万が一の事態が気になり始めたら、生命保険への加入を検討し始める時期でしょう。
ただ、住宅・保険・教育にかかるお金は「人生の3大支出」とも呼ばれ、出費額は非常に大きな金額になります。それだけに、万一の際には必要最低限の保障額を得られる無駄のない保険会社・保険プランを選び、毎月の支出を無理のない範囲に収めたいもの。そのためには加入する保険会社・保険プランについて、一体どのような考え方で比較・検討していけばいいのでしょうか?
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保障額の目安とすべき金額は、ズバリ1500万円以上
生命保険にどれくらいの費用をかけるべきか。それを考えるために、
1. 万一の際に残しておくべき金額はどれくらいか、
2. 毎月の保険料をどれくらいに抑えるか
という2つのポイントを意識してみてください。
まず、万一があったときに家族へ残しておくべきお金の額(保障額)について。考え方は人それぞれですが、ネット保険会社のライフネット生命保険によれば、[年収の3年分]+[子供の教育費]を残すことを目安にした方がいいようです。
同社は、家族の大黒柱に何かがあって亡くなってしまった後、残された家族が生活を立て直すのに3年かかると想定。その期間の生活を支えるのに必要な金額と、さらに子供の教育にかかる費用を足し合わせた金額を、保障額として設定するべきだと主張しています。(なお、子供が大学まですべて公立で通った場合、教育費はおよそ1000万円ほどになると言われています)
具体的に言うなら、夫婦の1人が働いて稼ぎ、もう1人が専業主夫/主婦になっている家庭で稼ぎ頭の年収が500万円程度なら、稼ぎ頭にかける生命保険の保障額は1500万円程度が目安。さらに夫婦の間に生まれて間もない子供が1人いるのなら、教育費を上乗せして2500万円程度残すことを目標にしましょう。
毎月の保険額、無理のない金額はいくら?
それだけの金額を残すためには、毎月ある程度の金額を保険料として支払い続ける必要があります。続いては、毎月の保険料の適正水準について、考えていきましょう。
初めて社会人になって1人暮らしを始めたとき、「家賃は月収の3分の1程度に抑えるのが目安」という話を聞いたことがないでしょうか。実は保険料も「月収の○%以内に抑えよう」という目安になる割合があるのです。
果たして、保険料は月収の何%に抑えるべきなのでしょうか。理想的な水準は、3~5%と言われています。月収が30万円なら、毎月1~1.5万円くらいの保険料で済むプランに加入しましょう。
いくら魅力的な保険プランであっても、保険料は最大でも月収の10%までに収めること。そのラインを超えてくると、保険料がかかり過ぎて日ごろの生活が圧迫されるようになってしまいます。
ここまでに取り上げてきたように、加入する保険会社・保険プランを比較検討し始めたら、まずは家族に残すべき金額を考えて、そのために必要な毎月の保険料が適切な水準に収まっているのかと確認するようにしてください。
近ごろは前述のライフネット生命保険やオリックス生命保険、楽天生命保険など、インターネットからの見積もり・申し込みに対応するネット生命保険を提供する保険会社が増えてきました。そうしたネット生命保険を利用すれば、毎月の保険料をかなり低く抑えることも可能です。
「家族のために」と考えて生命保険に加入したのに、毎月の保険料によって家族が苦しむことになっては本末転倒。くれぐれも適切な金額となるように、保険加入時には十分に比較・検討してから加入する保険会社・保険プランを選ぶようにしてください。