2015年2月に未受精卵子凍結保存への助成を決めた千葉県浦安市。少子高齢化という難問に挑む同市の少子化対策は、婚活から子育てまでと一貫しています。今回は、浦安市の少子化対策について詳しく紹介します。
婚活から育児まで。切れ目のない支援
浦安市は2015年に全国で初めて、将来出産を望む女性のための卵子凍結保存への助成を開始。2016年5月に第1号を出しました。
松崎秀樹市長によるこの画期的な少子化対策は、新聞やテレビで取り上げられて大いに注目を集めています。
しかし、浦安市の少子化対策はこれに留まりません。出会いから結婚・妊娠・出産・育児まで、「切れ目のない」支援を展開しているのをご存じでしょうか?
少子化対策モデル都市として、幅広く支援を提供
浦安市は2014年に30億円の少子化対策基金を設けました。これに伴い、福祉大国フィンランドの子育て支援施設「ネウボラ」を手本にした一連の行政サービスを実施。出会いから子育てまで「切れ目のない」支援を提供しています。
まず、婚活事業である「婚活in浦安リゾート」プロジェクトでは、市内のホテルで婚活パーティーを年に数回開催しています。男女とも100名ずつの大規模パーティーで、県外の人も参加可能。毎年多数の応募があるそうです。
パーティーの企画はさまざまで、俳優さんを講師に迎えた自己アピール講座、女性向けのメーク講座、男女での市内パワースポット(神社)巡りなど、趣向を凝らしたものとなっています。
中でも注目に値するのは、立食パーティーで提供されるカップリング支援サービス。市の女性職員「愛のコンシェルジュ」が会場を回って、さりげなく男女の仲を取り持つことで、カップル成立に大きく貢献しているそうです。
妊娠や出産に関しては、母親の子育ての不安を解消するために「子育てケアプラン」を作成。また、産後のうつ対策として母子に格安でホテルへの滞在を斡旋したり、不妊治療費を助成したりしています。
育児の支援も、0歳から預けられる低料金の一時保育や、非常勤の保護者でも利用可能な学童保育の実現に向けた取り組みなど、多岐にわたっています。
その成果か、浦安市は「出産・子育てにあたたかい行政区」「教育重視行政区」「行政サービスがいい行政区」ランキングなどで、千葉県内1位を獲得しました。
高齢化率が日本で3番目に低いという浦安市。若者が多い町として、少子化対策モデル都市として、日本の少子化を食い止めるお手本となってくれるのか、期待が高まります。