年収600万円の使い道を考える
日本人の平均年収は現在400万円程度。年収が600万円あればそれなりに所得がある方だと言えます。とはいえ、浪費できるお金は実際のところあまりありません。
夫婦2人だけの生活であれば自由に使えるお金が多いものの、子供がいれば状況は一変します。
所得税以外にも諸々の税金を含めると、手元に残る金額はおよそ450万円~500万円程度。夏と冬、年2回のボーナスで、支給額をそれぞれ2カ月分と仮定すると、毎月の手取額は約30万円程度ということになります。
住宅は賃貸? それとも持ち家? 住居によって使えるお金が変わってくる
人生最大の買い物の1つといえば住宅です。住宅はローンを組んで購入する人が大半でしょう。返済は60~65歳まで続き、中には70歳までローン返済に追われる人も。返済に困らないように、若いうちから資金管理しておくことが大切です。
ライフプランによって理想的な住宅は変わってきますが、年収600万円なら住宅費にどれくらい使えるのでしょうか。
昔から、「家賃は収入の30%くらいまで」といわれてきました。給料に当てはめてみると、手取り月額が20万円の人なら6万円まで、30万円の人なら9万円までということになります。世帯年収600万円の家庭なら、9万円くらいの賃貸に住むことを目安にしましょう。
ただ、9万円というと、都心に住もうと思ったら、狭いワンルームでも軽く9万円を超えてきます。都心からある程度離れたところで、築年数がそれなりに経っている2DKくらいの物件を借りるのが現実的でしょうか。
一方、住宅を購入するのなら、1年で100万円強のお金を使えることに。単純計算すると35年で3500万円の予算を確保できるわけですが、ローンを組むとなるとローンを組むときの事務手数料や金利分の支払いなどでかなりの金額が飛んでいきます。マイホームを買うときの目安は、3000万円くらいになるのではないでしょうか。
食費や交際費。どれくらいあれば余裕を持って暮らせる?
住居費を考えると、残りは20万円ほど。他にはどんな費用が発生するのでしょうか。
夫婦2人に子供1人という家族構成を想定して、1カ月にかかるおおよその費用を見積もってみましょう。
・水道光熱費+NHK受信料:2万円
・生命保険+学資保険:2万円
・子供の学費:3万円
・携帯電話代(夫婦2人+子供1人):2万円
・食費:5万円(1日1700円ほど)
・外食費: 1万円(月1~2回程度)
・衣服代:1万円
・雑費:1万円
・おこづかい:3万円
これで20万円になります。月に30万円使えても、さほど生活に余裕はないとお分かりいただけたでしょうか。
貯蓄や老後に備えた資産形成を行うには、年収600万円といえども節約が必須です。水道光熱費や携帯電話代などの固定費の削減が節約には効果的。電気の契約アンペア数を落とすことやお風呂の残り湯で洗濯するなど、地道な努力が求められます。
ちょっとした出費があれば、赤字を余儀なくされます。ボーナスで赤字を補てんしようとする家庭も多いですが、毎年ボーナスが出るとは限らず、頼り切るのは危険です。ボーナスは臨時的なものと捉え、そっくり貯金するくらいの気持ちでいれば心に余裕が出てくるかもしれません。
こうした生活のシミュレーションも頭に入れつつ、あなたがパートナーと一緒に築く将来の家庭像を思い描いてみてはいかがでしょうか。