結婚するつもりで彼女と同棲を始めて今年で5年。彼女から何度か結婚の話もされていたけれど、なんとなくタイミングを逃して先延ばしにしていた吉田さん(仮)。今回は吉田さんの体験談を取り上げつつ、同棲しようかと考えているカップルに知っておいてほしい情報をお届けします。
給与3カ月分の婚約指輪、同棲5年目のプロポーズ
吉田さんは28歳の男性。高校卒業後に就職して以来、電気工事の仕事を10年以上続けています。亭主関白な性格で、彼女と同棲してから家事はすべて任せていました。多くの女性と付き合った経験はなく、シャイなタイプの男性です。
吉田さんのパートナー、西尾さん(仮)は28歳の銀行員。大学を卒業して銀行員になり、大手銀行に勤務しています。きれいな容姿で学生時代からモテましたが、物事をはっきりと言うタイプで、どちらかというと人当たりがきつい方。交際人数は決して多くありませんでした。
2人が出会ったのは、お互いに23歳のころ。共通の友人を通して知り合い、すぐに意気投合。1カ月も経たずに付き合い始め、3カ月後には同棲することになりました。
まさにラブラブなカップルで、お互いに「いつか結婚しよう」と考えていました。ただ、結婚する時期についてはしっかり話し合わないまま、同棲を始めたのでした。
共働きでしたが、家事全般は基本的に女性の西尾さんがこなす日々。大きなケンカは特になく、たまに彼女から冗談交じりに結婚の話が出ることがある程度でした。平穏無事な生活が、そのまま5年続きました。
プロポーズOKだったのに、彼女の態度がおかしい……
そしてついに吉田さんはプロポーズしようと決意。西尾さんの28歳の誕生日に旅行へ行くことにしました。吉田さんは「プロポーズするならこのタイミングだ!」と思い、給与3カ月分の婚約指輪を準備。そして旅行中にプロポーズをして、彼女から見事「OK」をもらったのです。
最高に幸せな気分だった吉田さんですが、旅行から帰ってくると西尾さんの態度がどこかおかしいことに気付いてしまいました。
いくら理由を聞いても、答えてくれません。「気のせいかな」と思ってしばらく様子を見ることにした吉田さんですが、いつまでも経っても西尾さんの様子が変わりません。「これはおかしい」と思い、西尾さんとしっかり話をすることにしたのです。
「帰ってから、俺への態度がなんか変なんだけど、どうしたの? 本当のこと、教えてよ」
「……やっぱり考え直したいの。……結婚のこと」
「え、なんで!? 他に好きな人でもできた?」
「違うの……」
彼女から衝撃的な告白を受けた吉田さん。そのまま理由を詳しく聞いてみると、こんな答えが返ってきたのでした。
「この5年間という同棲期間が長過ぎたのかな。もっと早く結婚を考えてほしかった。だらだら一緒に居過ぎて、あなたとの結婚を考えられなくなったの」
数年前に出ていたサインに見て見ぬふり
彼女からの「結婚したい」というサインは、数年前に何度もありました。でも吉田さんは、そのサインを見て見ぬふりをしてしまったのです。
数年前は勇気と決断力がなく、「今、結婚しなくてもいいかな」と安易に考えてしまったのでした。それが脳裏をよぎり、反論できなかった吉田さん。結局、結婚の話はなしになってしまったのです。
その後もなんとなくそのまま一緒に暮らしていましたが、この日を境に2人は距離を置くようになりました。1週間後には会話もしない状態に。2週間後には別れることになりました。
「彼女とは本当に結婚したかったです」と、それから数年経った今でも後悔している吉田さん。結婚前の同棲は、始めるときに“結婚するタイミング”を2人できちんと話し合っておくべきなのかもしれません。