月刊マンガ雑誌『ジャンプSQ.』(集英社)の2016年6月号から『伝説の勇者の婚活』の連載が始まりました。純粋過ぎる勇者が婚活するストーリーを追っていくうちに、思わず「自分もこんな婚活したい」と感じてしまうかもしれない作品です。
「世界を救ったから」という理由で選ばれたくない
勇者たちが魔王を倒して平和が訪れた世界。勇者たちが城に凱旋したら、戦士と僧侶が結婚するという重大発表が――。こんな出だしから『伝説の勇者の婚活』は始まります。
戦士と僧侶が恋仲だったことに、まったく気付かなかった鈍感な勇者。それでも2人が幸せそうにする姿を見て「…いいな ああいうの…」と感じ、自分も婚活しようと決意します。
世界を救ってくれた勇者の婚活ともなれば、国を挙げた一大事に。国中から嫁候補たちが大勢集まり過ぎてしまったため、1人5分で次から次へと“お見合い”しましたが、勇者はどうにもピンと来ません。
「相手が僧侶だから戦士だから ましてや世界を救ったからなどという理由で… お互いを選んだわけじゃない 一緒にいる中で… 互いの人柄や容姿 生き様に惚れたのだ 俺もそんな風に 選ばれたいし 選んでみたいのだ――…」
勇者はそう語り、身分を隠して婚活していくことになります。
何度フラれても前向きに出会いを求める勇者
純粋過ぎて不器用過ぎる勇者の婚活は、波乱の連続。世間ずれしているため、女性に好まれそうなトークやファッションができない勇者は、何度もフラれてしまいます。
それでも、フラれるたびに反省して、自分なりに女性に好かれようと努力していく勇者。現在までのところは、フラれてもフラれても、前向きに次の出会いを求めていく勇者の様子が描かれています。
『伝説の勇者の婚活』の作者は、中村尚儁さん。前作では『1/11じゅういちぶんのいち』という心温まるサッカーマンガを連載していたマンガ家です。今作を読んでいても、ストーリーの根底に優しさがあり、読み終えると「自分も頑張ろう」という気持ちが湧いてきます。
これから婚活に取り組もうという人も、婚活に疲れてきて少し休みたいという人にも、前向きな気持ちになりたいときには、ぜひ読んでほしい1冊です。