産休・育休は何週間で申請するのが妥当?
最愛のパートナーとの間に、ついに赤ちゃんを授かった! 妊娠が分かると一気にお祝いムードになるかと思いますが、そのまま無事に健康な赤ん坊を出産できるように、必要な手続きを着実に進めていくように心掛けましょう。
最初に気を付けなくてはいけないのは、母体の健康。実は流産を経験するお母さんは意外と多く、10%以上もいるのだとか。しかも、流産するのは妊娠初期が圧倒的に多くなっています。
赤ん坊を授かったのなら、まずは身体を冷やさない、ストレスをためない、葉酸をしっかりとるなど、流産を防いで安定期を迎えられるよう体調管理に気を配ってください。
そうして落ち着いて安定期に入ったら、働いているお母さんなら、早めに出産に向けて産休・育休の手配をしておきたいところです。会社関係者などにはいつごろまでに、どれくらいの期間で産休・育休の申請をしておけばいいのでしょうか。
産休・育休は法律が定めた制度。出産後、8週間は働いてはいけない!
そもそも産休とは、女性なら誰でも取得できる休暇制度のこと。会社の規定などに記されていなくても、労働基準法の第65条で次のように定められています。
第六十五条 使用者は、六週間(多胎妊娠の場合にあつては、十四週間)以内に出産する予定の女性が休業を請求した場合においては、その者を就業させてはならない。
○2 使用者は、産後八週間を経過しない女性を就業させてはならない。ただし、産後六週間を経過した女性が請求した場合において、その者について医師が支障がないと認めた業務に就かせることは、差し支えない。
一言に「産休」といいますが、こちらに記載されているように、実際には出産前の「産前休暇」と出産後の「産後休暇」に分かれています。
まず産前休暇は、休暇を取得する人が会社などに申請する必要があります。一般的に休暇期間は最大6週間、双子や三つ子などを授かっているのなら最大14週間まで休暇を申請できるようになっています。「子供を産む直前まで働きたい!」というお母さんは、申請しないという選択肢も選べます。
一方、産後休暇は申請するまでもなく、産後8週間は休まなくてはならない、というのが基本ルール。例外として、出産した本人が望み、さらに医者が認めた場合のみ、出産から6週間が経過したら業務に戻ることが可能です。
まとめますと産休の場合、一般的には産前は最大6週間、産後は8週間の休暇を取得できます。産前休暇を取得したいのなら、事前に申請を出しておく必要がありますが、いつまでに申請を出せば望ましいかは、会社ごとに事情が異なるはず。上司や総務部・管理部などの担当者と必ず事前に相談をして、安心して産休の期間に入れるようにしてください。
育休は子供が1歳になるまで。保育所NGなら1歳半まで取得可能
一方の育休も、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(育児・介護休業法)によって定められた制度。こちらは子供が1歳になるまでの期間、お父さんもお母さんも取得できるようになっています。
また、保育所に入所を希望しても入所できなかったケースなど、育児のために就業することが困難な場合は、子供が1歳半を迎えるまで育児休暇を半年間延長することも可能です。
ただし、育休を取得するには、いくつかの条件があり、産休ほど無条件に取得できるわけではありません。
まず、現在働いている会社などに1年以上続けて勤務している必要があります。さらに子供が1歳になってからも、現在の勤め先で雇用され続けている見込みがあることが条件です。つまり、1年前から働いている正社員ならまったく問題ありませんが、雇用期間が短いアルバイトやパートタイムなどでは育児休暇は取得できないわけです(雇用契約が終了する期日が、子供の1歳の誕生日以降になっている場合は取得可能です)。
さらに育休を取得したいのなら、1カ月前までに申し出ることが必要だと定められています。会社ごとの事情もあると思いますので、育休も産休と同様、出産予定日がはっきりしてきたら上司や会社の担当者と相談しおくと無用なトラブルなく育児休暇期間に入れるようになるでしょう。
現実の育休取得期間は「10カ月~12カ月未満」か
産休・育休の制度については、このような決まりになっていますが、実際の運用状況はどうなっているのでしょうか。
産休の取得については、ほとんどの企業でスムーズに手続きが進むと思いますが、気になるのは育休取得の実情です。「会社の仲間に迷惑を掛けられない」と取得しづらい状況になっていないでしょうか。
その点について、厚生労働省が調査したデータがあります。2010年10月の育休取得率は、男性は1.38%と非常に低調になっていますが、女性の方は83.7%が取得しています。
そして気になる女性が取得する育休の期間は、「10か月~12か月未満」が32.4%で、「12か月~18か月未満」が24.7%。特に「12か月~18か月未満」の割合は2008年の調査時から7.8ポイント上昇していました。
産後休暇の8週間と合わせれば、ほとんどのお母さんが子供が1歳になるまで育休を取得できているようです。
子供を産み、育てることを応援しようという動きは、年々高まってきています。産休・育休に理解を示す企業も増えてきていますから、まだお父さんは育休を取得するのに勇気がいるかもしれませんが、お母さんは安心して子供が1歳になるまでの期間、フルで育休を申請しても大丈夫そうです。