厚生労働省が発表した2015年の「人口動態総覧」によると、2015年に離婚した夫婦は22万6215組。離婚理由はさまざまだと思いますが、「結婚するより、離婚する方が労力を使う」とも言われています。
離婚後は心身共に疲れきってしまい、「再婚しよう」という意欲が湧かないどころか、新しい出会いにすら消極的になっている人もいるかもしれません。
今回ご紹介する女性の佐々木さん(仮)も、離婚して恋愛に臆病になっていました。そんな彼女が再婚に至った経緯とは?
勤務先で出会った超積極的な営業マン
佐々木さんは、40歳のバツイチ女性。8歳の長男がいましたが、経済的理由で親権を取ることができず一人暮らし。離婚後は知人に紹介してもらった会社で、事務員として働いていました。
離婚してしばらく経っても、離婚した挫折感と子供と会えない寂しさに押しつぶされていた佐々木さん。「もう新しい恋愛なんてできない」と思っていたのです。
ところがある日、佐々木さんが会社で仕事をしていると、取引先の営業マンが訪ねてきました。
初めて会う2人があいさつを交わすと、営業マンは「あの~、今度良かったら飲みにでも行きませんか?」と誘ってきたのです。
恋愛どころか出会いにも消極的になっていた佐々木さんは、当然のようにお断りします。それでも、毎週のように会社に来ては佐々木さんを飲みに誘う営業マン。そんなやり取りが数カ月も続いて、佐々木さんはついに根負け。会社の同僚も誘って、みんなで飲みに行くことになったのです。
投げやりな気持ちで交際スタート
営業マンの彼、鈴木さん(仮)は38歳のバツイチ。佐々木さんと同じく一人息子がいたものの、元妻に親権を譲っていました。声が大きくいつも元気な明るいタイプで、営業成績は常にトップ。佐々木さんの会社のみんなからも好かれ、ムードメーカー的な存在でした。
しかし、佐々木さんが好きなのは物静かな落ち着いたタイプ。理想とは正反対で、離婚のトラウマがなくても付き合いたいとは絶対に思わないタイプでした。鈴木さんからいくら口説かれても佐々木さんの意思は変わらず、彼にも態度で示していました。
それでも鈴木さんは諦めず、佐々木さんの同僚を交えて何度も飲みに行くことに。そのたびに鈴木さんから積極的なアプローチを受けて、ついに佐々木さんはその熱意に押し切られ、出会って半年後に2人はお付き合いをすることになったのです。
「どうせ長続きしないだろうけど、それでもいいや」。最初はそんな投げやりな気持ちでした。
恋愛感情をよみがえらせた彼からの誕生日の手紙
投げやりな気持ちから交際を始めた佐々木さん。彼女の気持ちを変えたのは、誕生日にもらった鈴木さんからの手紙でした。
「離婚してからはもう人など愛せないと思っていた。けれどあなたと出会えて、人を愛する気持ちがまだ自分にあったと分かってうれしい」
この言葉に佐々木さんは、強く心を打たれるのです。
「彼も自分と同じ不安な気持ちで生きていたんだ。彼のおかげで私も人を愛せる気持ちを取り戻せそうな気がする」。佐々木さんはそんな自分の気持ちに気が付き、鈴木さんを本気で愛するようになっていきました。
それから1年後、彼から人生で2度目のプロポーズを受けて再婚。1度目の離婚がトラウマになっていても、そのトラウマを消し去ってくれるほどの鈴木さんの熱意が佐々木さんの心を変える決め手になったのでしょう。「今は大好きな彼と2人で仲良く暮らしています」と話してくれた佐々木さんでした。