2.3%しか取得しない男性の育休。「隠れ育休」が密かに進む?

2.3%しか取得しない男性の育休。「隠れ育休」が密かに進む?

イクメン」とは言われても……。子育てはまだママ頼み?

「イクメン」という言葉が生まれて、すでに数年が経ちました。「一億総活躍」なんて言葉も出てくるほどに女性の社会進出が望まれている現在、パパの育児参加が期待されています。

ただし、8月7日に厚生労働省が発表した「雇用均等基本調査(確報)」を見てみると、まだまだパパの育児参加率が低いことがよく分かります。

2013年10月1日から2014年9月30日の間に在職中に出産をした“女性”で、育児休業を開始した割合は86.6%。一方、配偶者が出産をした在職中の“男性”が、育児休業を取得した割合は2.3%にとどまりました。

男性の育休取得率は10年前の0.56%から4倍には増えていますが、まだまだ非常に低い割合です。

実は半数が「育児のための有給」=「隠れ育休」を取得していた

婚活情報メディア記事内1

一方で気になるデータもあります。NPO法人のファザーリング・ジャパンが6月25日に発表した調査では、46%のパパが出産直後の妻のサポートや育児のために、「隠れ育休」とも呼べる有給休暇を取得していたことが明らかになりました。

ただ、この調査で「育児休業制度のみを使用した」と答えた男性は4%。厚生労働省の調査結果の2倍近い数字です。それだけこの調査の母集団は、平均よりも育児に意欲的なパパたちだと言えるかもしれません。

また、隠れ育休を取得したのは、「産後1週間以内に1~3日程度」という人が最も多い結果となりました。

新ママの精神的なサポートにはなるかもしれませんが、時期や期間を見てみても育児や家事のサポートができるのに十分な期間だとは言えないでしょう。

経営者・管理職の育児への理解が、パパ育休普及のカギか

婚活情報メディア記事内2

厚生労働省が掲げている男性の育児休暇の目標取得率は13%。現状の2.3%とは大きく差がある状況です。

この差を埋めるには何が必要なのでしょうか?

上記調査を実施したNPO法人のファザーリング・ジャパンの代表理事、安藤哲也氏は「制度の充実とともに職場の風土改革が求められる」とした上で、「ワークとライフの両立マネジメントできる管理職“イクボス”の養成が急務」とコメントしています。

「あなたが育児休業制度を利用するとした場合、利用しやすい条件・環境だと思うもの」について尋ねた質問では、6割が「妻の妊娠を伝えると上司が必ず『育休はいつ取る?』と確認し、取得できる環境を整えてくれる」ことだと回答。上司の声掛けによって育児休業が取りやすくなるという声が多くあるのも事実のようです。

誰もが育児に参加できて、子育てしやすい社会になるといいですね。

References : ファザーリングジャパン , 厚生労働省
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