教師と生徒の恋愛。一昔前にセンセーショナルな内容で話題になったドラマの影響もあり、「禁断の愛」というイメージを持ってしまいます。
しかし、そんな禁断の愛をハッピーエンドにしたカップルもいるようです。
まるでドラマみたいなラブストーリー
「結婚が決まったとき、友人にはさんざん『まるでドラマみたいね』と冷やかされました」と少し恥ずかしそうに語るのは、14歳年上の彼との結婚が決まった市毛さん(仮)です。
大家族で、6人兄妹の長女として生まれた市毛さんはとても世話好き。母親の手助けをしながら、兄や妹の世話をずっと焼いてきました。
高校では生徒会長を務めていましたが、決して人の前に立ちたかったからではなく、こまめに気を使って人のお世話をすることが好きだったからだと言います。
そんな彼女が高校時代に所属していた部活がバドミントン部。そして、同じ体育館で練習していたバスケットボール部の顧問をしていたのが、結婚相手の小野さん(仮)です。
そう、2人はもともと、教師と生徒という関係だったのです。
ちゃんと人が見ていないところでも努力できる人
「私が高校生のとき、彼のことは特に意識はしていなかったと思います。担任でもなかったし、部活動も違っていたので、それほど接点も多くありませんでした」と市毛さん。しかしひとつだけ、深く印象に残ったことがあったと言います。
それはバスケットボール部の練習が終わってから、カゴに集められたバスケットボールを小野さんがいつも1人で残って丁寧に拭いていたこと。自分も練習の片付けをしながら、そんな小野さんの姿を見て「人から見られていないところでも、ちゃんと物事ができる人、努力できる人なんだな、という印象を持ちました」と話してくれました。
同窓会で再会、隠れてデートを重ねた2人
そんな市毛さんが卒業後に選んだ道は”保育士”でした。地元の保育園で毎日忙しく働いていたある日、当時の同級生たちに誘われて、市毛さんは同窓会に参加しました。
同学年の別クラスの担任だった小野さんも、その同窓会に出席していました。5年前に転勤し、離れた高校で勤務していましたが、たまたま帰郷していたので参加したのだとか。小野さんは長く付き合っていた彼女と別れたばかり。少し寂しい思いを抱いていた時期でした。
同窓会と言ってもそれほど大規模な会ではなく、ちょっと参加人数が多い飲み会のような集まりでした。
「ちゃんと話したのはその時が初めてかもしれません。偶然、近くに座って長く話すことになったのです。2人で話してすごく盛り上がったわけでもなかったのですが、話していると何かドキドキしたんです。はっきりした理由は今でも分かりません。単に恥ずかしかっただけかもしれませんね」(市毛さん)
同窓会では、しっかりと連絡先を交換した2人。後日、1人になって寂しさを感じていた小野さんの方から、何度か市毛さんに連絡を取るようになり、「ごはんでも食べようか」という話に。そこから何度かデートをする関係になり、会うたびにお互い惹かれ合うようになっていきました。
しかし、もともとは教師と生徒という関係です。卒業しているとはいえ、何となく周りに知られるのが嫌で、隠しながらのデートを続けたそうです。
最後は市毛さんから急かしてプロポーズ
そんな関係を1年ほど続けていましたが、14歳年上の小野さんの年齢を考え、市毛さんから結婚を意識するように。「プロポーズは彼からしてもらいましたけど、最後は私からけしかけた感じでしたね」と言うように、市毛さんの方から直接ではないにせよ、「結婚したい」という意思をはっきり伝え、小野さんに決断を迫ることになりました。
そして婚約を交わし、市毛さんは保育園を退職。プロポーズから半年後に結婚生活をスタートすることになりました。
14歳の年の差も、教師と生徒という禁断の関係も何のその。2人はドラマとは違う“ハッピーエンド”を迎えることになりました。